• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第2章 The dawn ー始まりー





深く溜息を吐いて瞼を下ろす。
そのまま、更に続ける。


『……レイチェル。
 君のことは、もっと知りたいし、仲良くなりたい。そう思っているよ。
 ……でも、嫌な記憶を無理に思い出させるようなことはしたくない。

 ……誰だって、そういうものだろう?
 ……だから、聞かないよ。』


再び瞼を押し上げ、ふっと息を吐き微笑んだその時、


「…………そっか…。」


心無しか、レイチェルのその表情が、軽くなった気がした。

……そこでエレベーターは止まってしまった。


『……さぁ、行こうかレイチェル。
 一緒に、ここを出よう……?』

「…うん…‼」


私達は、不安と希望とでごちゃ混ぜになった複雑な気持ちを胸に秘めて、エレベーターから降りたのだった……。


/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp