The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第10章 Butler ー執事ー
「……あぁ、
ここにちょうどテメェにぴったりの、いい墓穴があるじゃねーか。」
ザックは愉快そうに、ニヤリと笑って
近くにあった手頃なその穴に、エディの身体を蹴り入れた。
「……あぁ、そうだ。
お前の言う通り、蓋をしてやるよ‼」
何かを思いついたような素振りを見せたザックは、
笑みを深めてそう続ける。
そして通路の反対側に回り、
その穴の横に置かれていた墓石で、穴を押しつぶすように蓋をした。
確か、その墓には……、
__レイチェル=ガードナー……
レイの名前がはっきりと、
それとは別に……他に何かが彫られてあった気がした……。