The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第10章 Butler ー執事ー
「……ああ、しつけぇ……‼」
ザックの苛立ったような声が響く。
それから、
いいことを思いついたと言わんばかりに、楽しそうに続けた。
「…………なぁ、エディ。
そんなに墓がいいんなら、お前を真っ先に入れてやるよ……‼」
「…何…!?」
ザックの瞳が、鋭く輝きを放つ。
……それは紛れもなく、私とレイがB6のフロアで見た
凶悪な"殺人鬼"のものだった……。
ザックは楽しそうに笑って、
ゆっくりとした動作で鎌を振り上げた。
……そして、一瞬で…
エディの胸部を真一文字に斬りつけた。
ぶわっ……と舞った鮮血は…
セバスチャンが私を抱きしめて腕の中に閉じ込めたおかげで、
私に降りかかることは無かった……。