• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第10章 Butler ー執事ー





「……して?」

『……え。』


小さな声に、私はセバスチャンにつまみ上げられたままのエディを見つめて、小さく声を洩らした……。

エディはそれを気にする様子もなく続けた。


「どうして?どうしてなの……?
 ボクは、レイチェルも悠も、大好きなのに……。

 大好きだから、ボクの手で殺してあげたいのに…………。」


悲痛な声でエディが言う。
セバスチャンは、つまみ上げたその少年を冷たい紅茶色の瞳で見つめて、
声を出さずに、口の動きだけで私に訊ねた。


「"……殺しますか……____?"」


私は、その問いに対して、ゆっくりと静かに左右に首を振った。
その返答に溜息を1つ零して、セバスチャンはエディを地に降ろした。

エディは力なく項垂れている。


「____そりゃあ…、お前……。
 …フラれたんだよ……。」


そこに、ザックの声が響いた。
……いつの間にか、ザックがこちらに歩いてきていた。



/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp