The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第9章 Grave care taker ー墓守ー
《……私の名を、お呼びください…。》
誰かの声が、何処か遠くから頭に響いたような気がした。
……私は、知っている。
この声の主を…。
《__…さぁ、お早く。》
《お呼びください。》
《私のご主人様。…私の名を……____》
私はエディの手を、痺れた利き手で自身の首から引き剥がした。
……まだ幼いその手は、痺れている私の手で、
なんとか引き剥がすことが出来た。
『……っ…………。
ごほっ…ゲホッ……。』
数秒ぶりに喉を、
気管支を通り抜ける空気にむせ返る。
私は足りなくなった酸素を補うように、
肺の奥深くまで、
大きく、大きく…空気を吸い込んだ。
そして、1度その吸い込んだ空気を全て吐いて、
肺を空にする。
そして、再び大きく空気を吸い込み、
次に発する大きな声の為に備えた。