The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第9章 Grave care taker ー墓守ー
どうすれば……。
『……レイ。
これを持って、先に言って。
そして、よく聞いて……?』
ある案を思いつきハッとした私は、
レイにあるものを手渡す。
代わりに古ぼけた壊れかけのランプを手に持つ。
レイが駆けていく様子を視界の隅に捉えて、見送りながら
私は深呼吸をして気合を入れる。
《ふふふ…。》
《レイチェル、悠…何処……?》
《近くにいるね…》
私は息を切らしながら、エディの声から逃げようと
必死に駆けていた。
ところが、エディの声は遠ざかるどころか、どんどん近づいてくる。
ランプも明滅を繰り返し、今にも壊れてしまいそうだ。
『……っ。
レイ、まだなの……?
大丈夫…なの……?』
足がもつれそうになりならがも必死で走っている私は、そう呟いた。
そして、私はハッとした。
目の前は行き止まり。
引き返さないと……っ‼
踵を返した丁度その時……__
すぐ近くで、エディの声が聞こえた。
「……みーつけた。」
『っ……!?』
じりじりと距離を詰める相手の気配に
息を呑んだその時……__
ーガッシャンッ‼ー