The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第9章 Grave care taker ー墓守ー
「あぁ?
それこそお前に言われたかねぇよ。
だいたい飢えてんのはテメェだろ?
ガキのくせして欲求不満か?
笑えねぇなぁ、おい。」
「……バカが五月蝿いよ。」
エディは顔を歪めて、口角を釣り上げて挑発するように、
自分を見下すように言ったザックに、
再び冷たい声を吐き捨てた。
そして、更にそのままこうも続けた。
「____お前は、無視でいいよ。いらないし。
ボクが欲しいのは、レイチェルと悠だから。」
『…エディ……。』
私がそう呟くようにそっと声を零すと、
エディは、私の方を見て微笑んだ。
……いや、
正確には、エディが微笑む気配を感じただけだった。
「ねぇ、悠。
君は怖くないように、そっと優しく殺してあげる。
レイチェル。
君も、君の望む通りに……。ね……?
君達の為に、世界でいちばん美しくて綺麗なお墓を作って、
その美しい蓋の下に、永遠に閉じ込めてあげるよ……‼」
ーブツンッ‼ー
明滅を繰り返していた部屋のライトの頼りない光は、
完全に消え失せてしまった。