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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第9章 Grave care taker ー墓守ー





「……ああ、辛いなぁ……。」


エディは嘆息混じりに、芝居がかった声音でそう言った。
エディは更に続けた。


「ボクが、キレイなまま殺してあげたかったのに……。

 でもね、知ってる?
 墓穴は暗くて涼しくて、心地いいんだよ……?」


切羽詰まった雰囲気の中、無邪気に聞こえるエディの幼い声が響く。


ービュッ……‼ー


『っ……‼』


風を斬るような、切り裂くような……そんな音がした。
ザックが暗闇の中、近くであの鎌を振り回す気配を感じた。

おおかた、エディが近づいてこないようにしているのだろう。
だが、それではレイと私も危ない気がする。


ーヒュ…ヒュ……‼ー


風を斬る、短い音が続く。


「ああ、嫌だ‼
 この乱暴者‼墓荒らし‼人殺し……‼」

「テメェだって、人殺しには変わんねぇだろうが‼」


エディの叫び声にザックも不機嫌そうに叫び返す。
しかし、エディも負けじと声を張り上げた。


「一緒にしないでよ‼
 いくら身体能力が高くても、頭が空っぽな君は、
 いつも逃げられてばっかりなくせに‼

 役目も果たせず、ろくに殺せてないから、イライラしっぱなしじゃない‼」


暗闇の中……透き通った水のように澄んだエディの声が、
ザックに言い返した。


ージジ……ー


エディの怒ったような、苛立ったような声に反応するように
ライトがチカチカと点滅しだす。


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