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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第9章 Grave care taker ー墓守ー





『わ……‼』


壊れて大きく空いた穴から、埃っぽい空気が流れ出る。
その暗闇の中に、レイがポツン……と1人で立っていた。


「…………よぉ。」

『……っ‼
 レイ、良かった……っ‼』


ザックの言葉を半ば遮りながら私は言って、
ザックを突き飛ばしてレイの元へ駆け寄った。

そっと、レイの身体を抱きしめる。

……小さくて、華奢な身体……。
私は、この子が死んでしまうのが、どうしても怖かった。


「っ……‼
 テメェ、何してんだ……‼」

『……だって、
 ザックよりレイの方が大事なんだもん。
 仕方ないでしょ。』

「仕方なくねぇよ‼
 だいたい、お前なぁ……‼」


怒って、ギャンギャンと半永久的に文句を喚き散らすザック。
私は溜息を零して苦笑した。


……少しは、レイを見習ってほしいものだ…。


『……そういえば、エディは何処へ…?』

「……あー?
 そういや、あの墓掘り野郎……、何処行きやがった?」


ザックの文句を無視しつつ、思ったことをそのまま口にすると、
ザックはあっさりと、すぐに流された。

私は思わず失笑した。

……すると、ザックに少し睨みつけられた。


「……わからない。」


数テンポ遅れて、私の問いにレイが答えた。

レイは眉根を寄せて、考え込むような素振りを見せている。
私も顎に手を添えて、考え込む。

すると、そこへふっと…
声が響いた。




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