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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第9章 Grave care taker ー墓守ー





「……くそ‼
 悠、そこを退け‼」

『う、うん……。』


そんな私を見かねたらしいザックがそう叫んだ。
私は素直にそれに従った。


右手の手刀辺りから、血が滲んでしまっていた。


「おい…‼いるんだろ!?
 いたら返事しろ……‼」


私と同様にザックも壁を激しく叩きながら叫ぶ。

……すると、
壁の向こう側から声が聞こえた。


「……ああ。
 五月蝿いのが来た。」


エディの声だ。
煩わしそうに、皮肉じみた声音のエディの
その苛立ったような声に重ねるようにしてザックは叫んだ。


「墓掘り野郎じゃねぇっ‼
 テメェだ、テメェ……っ‼
 いるんだろ‼返事しろ……っ‼‼」


ザックは、尚も壁を激しく殴りつけながらそう叫ぶ。


「……私?」


壁の向こう側から、レイの静かな声が小さく聞こえた。

それを確認したザックは、私に聞こえるだけの小さな声で、


「……下がってろ。」


とだけ言い、再び壁に向き直って壁の向こう側にいるであろう…
レイに向かって叫んだ。

更に、今度はザックが壁を蹴り始めた。


ーガンガンッ‼ー


「そーだよ、テメェだテメェっ‼
 決まってんだろ‼」


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