The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第9章 Grave care taker ー墓守ー
「……ああ‼くそっ‼
何も見えねぇ‼
悠、無事か……!?」
『わ、私は平気……。』
強ばってしまった身体が、ザックの声で解れていく……。
ザックの声って、安心する……__
ークスクスー
私は安堵してザックの声にそう返答した。
幼い笑い声が聞こえる。
私はそっと、自身の日本刀の柄に手を伸ばした……。
ーガンッ‼ー
「……くそっ‼」
チカチカと点いたり消えたりを繰り返すライトの、頼りない光の中……、
現れるエディの姿に、ザックがあの大きな鎌を振り回している。
『……ザック‼』
妙な不安に駆られ、私はザックの名前を口にした。
その叫びにまるで応えるかのように、
ほぼ同時に明かりが復旧した。
私は、レイの墓がある辺りに立っていたザックの姿を見つけ、安心した所為か…その場に座り込んでしまった。
「……おい。
何泣いてんだよ。
泣くんじゃねぇ……。」
私に歩み寄ってきたザックが、私の前でしゃがみ込む。
そして、私の頬を伝って、顔を濡らした涙をそっと拭ってくれた。
『……ザックの所為だからね。
心配させて……‼』
「あぁ?
なんでだよ‼」
『ザックが、あまりに危ないことするから……。』
「……はぁ!?」
言ってから、私はハッとした。
『……‼
レイ…、レイは‼
レイは無事なの……!?』