• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第9章 Grave care taker ー墓守ー





「……ああ‼くそっ‼
 何も見えねぇ‼

 悠、無事か……!?」

『わ、私は平気……。』


強ばってしまった身体が、ザックの声で解れていく……。


ザックの声って、安心する……__


ークスクスー


私は安堵してザックの声にそう返答した。

幼い笑い声が聞こえる。

私はそっと、自身の日本刀の柄に手を伸ばした……。


ーガンッ‼ー



「……くそっ‼」


チカチカと点いたり消えたりを繰り返すライトの、頼りない光の中……、
現れるエディの姿に、ザックがあの大きな鎌を振り回している。


『……ザック‼』


妙な不安に駆られ、私はザックの名前を口にした。
その叫びにまるで応えるかのように、
ほぼ同時に明かりが復旧した。


私は、レイの墓がある辺りに立っていたザックの姿を見つけ、安心した所為か…その場に座り込んでしまった。


「……おい。
 何泣いてんだよ。
 泣くんじゃねぇ……。」


私に歩み寄ってきたザックが、私の前でしゃがみ込む。
そして、私の頬を伝って、顔を濡らした涙をそっと拭ってくれた。


『……ザックの所為だからね。
 心配させて……‼』

「あぁ?
 なんでだよ‼」

『ザックが、あまりに危ないことするから……。』

「……はぁ!?」


言ってから、私はハッとした。



『……‼
 レイ…、レイは‼
 レイは無事なの……!?』


/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp