The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第8章 Device ー仕掛けー
「……ううん、違うよ。
僕は、ずっとここにいるんだ。」
『……そうなんだ。』
「……ねぇ、悠。
僕のお姉さんになってよ‼
僕、君みたいなお姉さん……欲しかったんだ‼」
嬉しそうに声を弾ませた少年に歩み寄ろうとしたその時……__
「……悠っ‼
無事か……っ!?」
勢いよく第1墓場のドアが開け放たれてザックが叫んだ。
……どうやら、この部屋以外のライトは点いていなかったらしい…。
真っ暗な闇から抜け出すように、息を少し弾ませたザックが姿を表した。
『……え?
ザック……?
別に何も変わったことなんてないけど…。
……無事かって何……?』
「……そうか。
何ともねぇなら良いんだ。」
戸惑った私は、たどたどしく言葉を紡いだ。
そんなことを気にするわけでもなく、私の返答を聞いたザックは、安堵したような声を洩らした。
……が、すぐに私の前に立っていた少年を睨んだ。
「…………エディ、テメェ……。」
獣が唸るような低い声でザックは短く言った。
私は、そこでハッとして少年から後ずさって距離を取り、硬直した。
……待って。
ザックと、この少年は……知り合いなの……?
ってことは……、
この少年は…__
エディは…………__
このフロアの……"殺人鬼"……____