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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第8章 Device ー仕掛けー





「……んで、
 調べてないところって何処だよ。」


ザックが思い出したように言う。

……正直、
2人のやり取りを見ていて、私も本来の目的を忘れてしまっていた…。


「……うん。
 あれ……。」


レイはザックの言葉に対して、水面を指さしている。
その水面には、影のようなものが……。

おそらく、死体ではない。

……そもそも、
浮かんでいるものが無いのに、影なんか出来るだろうか。

……否。



私は水面の傍に寄ってしゃがみ込み、じっと水の中を見つめた。


『……たぶん、何かのスイッチだと思う。
 よく見つけられたね、レイ。』

「……悠とザックが口論していた時に見つけたの。」

『……。』


レイに言われて、私は硬直した。
以前ここであったことを思い出し、私の頬は一気に熱を持った。


「…先に言っておけよっ‼」


ザックは気にしている様子もなく、
レイが言わなかったことに対して怒っている。


「……だって、2人が話していたから……。」

『ご、ごめんね、レイ……。』

「話を遮ってでも言えよ‼
 わかんねぇだろっ‼」


叫ぶザックにレイは少し困惑しながら言う。


「……とりあえず、あの中に立っていてほしいの。」



レイの言葉に立ち上がって、再び水の中に視線を落とした。



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