The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第8章 Device ー仕掛けー
ザックも私と同じように、水の中に視線を落とす。
それから不機嫌そうな声をあげた。
「あぁ?
俺がかよ。」
「……嫌なら、別に……。」
レイがふっと視線をそらした。
『あ、じゃあ私が立っておくよ。』
私が靴を脱ごうとしたその時……____
ーザプンッ‼ー
水飛沫がそこら中に舞った。
「別に嫌とは言ってねぇだろ‼
入りゃ良いんだろ、入りゃあ……‼
っ……冷てぇっ‼
クソかよっ‼」
ザックがブツブツと文句らしき事を言いながら、その影の上に立った。
「さっさと行け‼
こっちは冷てぇんだよ……っ‼」
「……わかった、急ぐ。
悠、あなたもここにいて……。」
『うん、わかったよ。
気をつけてね、レイ。』
「……うん。
悠達も、気をつけてね……。」
私達とレイは、
そこで再び別れたのだった……。