The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第8章 Device ー仕掛けー
「……"殺してあげる"って書いてあるの。
この紙に……。」
レイは、私達を振り返って数枚の紙を掲げて言った。
ー 殺してあげる……____ ー
あまり、良い響きではない。
そう思い、私はぐっと唇を噛んだ。
レイは、
死にたがっている……。
1人にしてしまったら、
レイは別の誰かにすぐにでも殺されようとするのだろうか……。
……と、その時____
ービリビリビリッ‼ー
『っ……。』
「……?」
ザックがレイから紙を奪って、それらを全て破り捨てた。
……視界を、白い紙吹雪がひらひらと舞っている。
「……お前、
俺以外に殺されようとか、思うんじゃねぇぞ……。」
「……うん。」
その時のザックの言葉は、愚直とも思えるほどに、
真っ直ぐで……不思議と不快ではなかった。
レイのザックに対する返答も、
しっかりとしたものに聞こえた……。