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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第8章 Device ー仕掛けー




「……で、
 その他には何か見つかったのかよ?」

「……その奥は、行き止まりで行けなかった。
 スイッチみたいなものがあったのだけれど、
 押してみても何も反応が無かった。」


ザックの問いに淡々とした口調で答えるレイ。

その声に対して、ザックが再び苛立ったような声をあげた。


「はぁ……!?
 またかよ‼めんどくせぇっ‼

 お前そういうの得意なんじゃねぇのかよ‼」


レイの声に重ねられるようにして叫ばれたザックの声に、
私は呆れて溜息を吐いて、こう続いた。


『……て言っても、
 こっち側も大半のものはレイといるときに調べちゃってるしね……。

 何処か……、まだ探してないところとか、
 見落としてるところがあったかなぁ……?』


考え込む私を見て、
レイが静かに呟いた。


「……1つ、調べてないところがある。」

『……え、本当に?』

「……うん。」

「んだよ。
 そんなことはもっと早くに言えよ‼

 じゃあ、さっさと行こうぜ。」


ザックが一気に機嫌がよくなって、嬉しそうに言う。

歩き出した彼の背中に、私は問いかけた。


『……ザック。
 調べてないところが、何処だかわかるの……?』


意気揚々と機嫌良さそうに歩き出していたザックが、
私のその問いかけで不機嫌そうに振り返ったのは言うまでもない……。




「……だぁーかぁーらぁーっ‼
 先に言えって言ってんだろぉおおおおっ‼」


静かだったその空間に、
ザックのそんな叫びが響いた。



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