The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第2章 The dawn ー始まりー
レイチェルも、私と同じような質問に答えて、"プレイスタート用のカードキー"を手に入れた。
レイチェルがカードキーを受け取ると、
ー…ブツッ……‼ー
という嫌な音を残して、パソコンは電源を落とした…。
…画面は真っ黒に闇色になっていて、もううんともすんとも…何も言わない。
微妙な不快感に、私は顔を少ししかめた。
「……ねぇ、悠。
これがあれば、ここから出られる……?」
レイチェルのその小さな声の問いに、私なりの答えを返す。
『……さぁ、どうだろう…。
…そもそも、"プレイスタート用"っていうのが引っかかるね……。』
「……やっぱり、悠もそう思う……?」
レイチェルは不安そうに眉根を寄せつつ私に言う。
私は考え込んでから言葉を返す。
『……まぁ、ね…。
それじゃあ、さっきのフェンスで仕切られていたところへ行ってみようか…。
…このカードキー、きっと使えるよ。』
「……うん。」
不安そうにしていたレイチェルは、私が話を切り上げるとそう答えて微笑んだのだった……。