The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第8章 Device ー仕掛けー
それから、しばらくそうしていた私とザックだったが……。
ふと我に返って、第1墓場に戻った。
……それから十数分後……。
レイが戻ってきた。
「……何、これ……。」
「……あ?何してんだ‼
遅せぇんだよっ‼」
「……こっちが聞きたい。」
戻ってきたレイは、驚いたように目を丸くして言った。
ザックの"何してんだ"という言葉にそんな返答を返したレイ。
そんな2人のやり取りが何だか微笑ましくて私はふっと笑った……。
『ザックが、全部お墓を壊してしまったんだ。
……レイの物以外のを全部……ね。』
「……私のお墓、以外を全部……?」
レイは問いに答えた私の言葉に反応して、自分の名前が彫られたお墓にへと歩み寄った。
……先ほどのザックの"行為"で、私のお墓まで破壊されてしまった。
レイのお墓以外の物は、もう何も残っていない。
…確かに、
生きているのにお墓が作られていることに関しては、私も不服だった。
まるで、私自身が"生きている"ということを、全否定されているみたいで、非常に不愉快だった……。
吐きそうだ……__
……だけれども、
ザックの手によって、私のお墓が破壊されてしまった時。
その時も、非常に不愉快だった……。
……我が儘のようにも思えるのかもしれないが、
…まるで、"死ぬ"事を許されないかのような……、
安らかに眠ることを、許されない…みたいな……。
そんな気がして、嫌だった……。