第6章 これは恋のゲームだよな?
終わった・・・。莉子には午後に用事があるけど夕方には戻ると伝えてある。そして夕方に自宅に戻り、莉子と一緒に向かったのは義理実家だ。
義理の両親が盛大にもてなしてくれて夕飯が始まろうとしている。
義理両親と会うのはいつぶりだろうか?そういや、お正月以来会ってない気がする。
俺は莉子と用意した菓子折りを手渡して家の中に入るとトイレを借りに歩いた。
トイレでズボンやら下ろして便座に座る。
うっ・・・耐えられるかどうかわからないプレッシャーですでに汗だくだ。しかも、莉子にはなるちゃんに会ってることは言っていない。
郵便局に行って書類を届けた後に西田と落ち合ってお昼を軽く食べたと伝えてある。
トイレから戻ってリビングに向かうと所狭しと料理が並んでいた。
「天ぷらにしてみたの。こっちは豚の角煮よ。奮発してニース風サラダも作ったわ。」
義理のお母さんが笑顔でそう言う先には脂っこいような味の濃い料理が並ぶ。
「普段はこんな料理じゃないのよー。悠真くんが来るっていうから張り切ったんですって。」
うぐっ・・・。俺の中の胃が逆流しそうになって慌てて口元を手で押さえる。
「悠真くんどうしたの?」
莉子が不思議そうに俺に聞いてくる。
「ごめっ、トイレ!」
俺は一言そう言ってトイレに向かうと思いっきり扉を閉めて便座の中を覗き込むかと思うと口の中から一気に消化物を吐いた。
うげええええぇー。
吐いて気持ち悪いのが無くなったと思ったらお腹の辺りがまだぐるぐるしていた。
夕食はなんとか少しだけ食べられることができたが、お昼に食べすぎたかな?なんて誤魔化して過ごすことにしたせいで義理両親に気を使わせてしまった。
白米とお味噌汁をいただくのでもう、精一杯だった。しかも、いつもなら茶碗一杯の白米を食べてるのにこの時はほんの少ししか食べられなかった。
リッツ・カールトンで食べすぎたに違いないと思った。