第6章 これは恋のゲームだよな?
「あのさ、西田が結婚するんだって。」
この日の夕食時に僕はこう切り出した。
「へぇー。同僚の西田さんよね?」
莉子が頷く。
「そうなんだけどよー。彼女いたとか聞いてないぞ!」
「あはは、サプライズでもしたかったんじゃないの?旦那奥さんか気になるわね。結婚式に着て行く服あるかしら?あとで見てみるわ。」
「サプライズかぁ。まぁ、そういうことにしておくか。僕もいいスーツ探さないとな。それがいいよ。」
夕食後に歯を磨いてから2階に上がった。莉子はクローゼットのある方に向かって行った。僕と莉子のクローゼットは別の部屋にある。
僕はクローゼットを開けてワイシャツとズボンにジャケットを選んだ。
「あとはネクタイとベルトか。新郎と被らないようにするには何色のを選んだらいいんだろう?」
僕はスマートフォンで検索しながら選んで行った。
そして結婚式は当日を迎えた。僕と莉子は車を駐車場に停めて招待状を手にして教会に向かった。
「そういや、僕達の結婚式が懐かしいな。」
「そうね。」
僕達は結婚式は2年前に済んでいた。前撮りも行い、家族や友人を招いての結婚式が楽しかったことを思い出した。