第6章 これは恋のゲームだよな?
それから我に返った僕はそそくさと帰る準備をして部長とは時間をずらして帰って行った。一緒にホテルを出た所を職場の人に見られたくなくて時間をずらして僕が先に帰った。
てか、やばいぞ!莉子になんて説明しよう・・・。
二日酔いになるかと思ったけどそうでもなかったのでタクシーで郵便局まで向かってから自分の車で帰った。
「ただいま・・・。」
重い腰を下ろして玄関の扉を開けると莉子が心配そうに出迎えてくれた。
「おかえりなさい。残業だった・・・のよね?」
「ごめん!実は残業してて疲れたのかそのままデスクで寝ちゃってさ。気づいたら朝になってたんだ。今度はこんなことにならないように上司とも相談してみるから。」
僕が申し訳なさそうに頭を下げると莉子は笑顔に変わった。
「そっかぁ。今までお疲れ様!今日は休みなのよね?休みの日くらいゆっくりして行ったら。」
「そうするよ。ありがとう。」
この気に及んでまでも妻の莉子に嘘を吐かなきゃいけないなんて自分が惨めに思えた。
とりあえず、ダイニングで朝食を取って顔を洗って電気カミソリで髭を剃ってから歯を磨いた。
すると僕のスマートフォンが鳴った。
「なんだ?」
開いて暗証番号を入力するとLINEにお知らせが来ていた。まさか、武田部長からなのでは?と躊躇しながらタップすると相手は西田からだった。
西田からか・・・珍しいなぁ。なんだろ?
西田のLINEをタップするとコメントとスタンプが押されていた。
【突然でマジごめん!俺、結婚することになった。今度、結婚式やるから招待状送るわ!奥さんと来てくれよな。】
えええ?西田が結婚?
そんなそぶり一度も見たことなくマッチングアプリやお見合い、合コンで失敗話ばかり聞かせていたのにこやつぅーーー!
とも思ったが友達でもありつつ同期の西田の結婚報告がなんだか嬉しかった。それから数日後に僕と莉子宛に西田から招待状が届いた。