第6章 これは恋のゲームだよな?
「ちょっ、どういう・・・・。」
彼女の言葉を遮るようにして僕は言った。
「今度は僕の番だ!」
僕は彼女の着物の帯を解いてずらすと胸の膨らみにかぶり付いた。
「こんなのっ、あっ・・・・ん。凄いわ!」
彼女に流されまいと僕が上の立場になることでなんだかこの場を支配した気分になった。それから首筋にキスをした僕はこう言った。
「あ〜あ、跡がついちゃったね。さぁどうする?」
「くっ・・・・・。」
この時の僕はなんだか自信たっぷりで誇らしげだった。
それから彼女と体の関係を交わそうと思ったのだがふと我に帰り今は仕事中だと言うことに気がついた。
「おっと、この続きはまた今度な。」
「それはあんまりよ。まだ行かないで!」
彼女にせがまれたけど上司に怪しまれてはいけないと言ってお屋敷を後にした。
「いい子で待ってたら続きやるかもな?そんじゃ。」
そして駐輪場に行き、バイクに跨って郵便局に帰って行った。
郵便局に帰ったら武田部長が怪訝そうな顔で僕の顔を覗き込んでいた。バレたらどうしようと言う思いでいっぱいだった僕は冷や汗をかいていた。
「清水君さぁ、なーんか帰りが遅くないですか?」
ギクリッ!!!
「そう・・・ですかね?そんなことないですよ。」
「でも西田君や木下君はとうに着いてるんですよ?ルートだってほぼ同じなんだから同じくらいの時間に到着してもおかしくないでしょ?」
ああ、なんで言えばいいんだ?僕は必死になり頭をフル回転させた。
「あー景色が綺麗なんで信号待ちの時に見惚れてて遅くなっちゃいました。」
これが精一杯の嘘だった。
「はぁ?まぁ、いいけど次から気をつけてよ。最近たるんでるようだから!あっ、そうだ。今日の配達が遅かった罰として業務時間後に郵便局に残りなさいよね。」
「嘘ですよね?そっ、そんな・・・。」
武田部長の言葉に僕は愕然としてしまった。
今まで残業なんかほぼなかったのに残業かぁ。莉子にLINEでも入れておくか。僕は仕事の間は残業のことで頭がいっぱいだった。