第6章 これは恋のゲームだよな?
仕事が終わり、水島と別れて家に帰宅した。
ガチャッ
「ただいまー」
「おかえりなさい。お風呂も沸いてるしご飯もできてるわよ。」
「じゃあ、先にご飯にするよ」
そんなたわいない会話を莉子として僕は2階に上がった。
着替えて下に降りるとテーブルに美味しそうなご飯とおかずが並んでいた。
「今日は3分クッキングでやってたメニューを真似してみたの。チキンのレモンペッパー焼きですって」
莉子は上機嫌に言った。
「そっか。あっ、今朝の話なんだけどさ。子作りなんだけど、僕も父親になる覚悟ができてないっていうか。妊婦さんのこともう少し知りたいから僕なりに調べてからでもいい?」
僕は席に着いて申し訳なさそうに言った。
「そっか。それもそうね。まだ私も焦ってるわけじゃないからいいわよ。私も妊娠のこと知りたいし。でもさ、産婦人科に行ってお互い検査してみるだけはどう? ほら、今時って女性だけが原因ってわけじゃないでしょ?男性不妊なんてことも考えられるし」
「そうだな。また今度な。検査は受けておいた方がいいかもな」
僕は頷いて莉子と手を合わせてご飯を食べ始めた。
「いただきまーす」
いつもは大抵、お風呂に入ってからご飯を食べるけどこの日は何故か無性に腹が減っていてご飯を先に食べたい気分だった。
「よく食べるわね。おかわりあるから言ってね」
「ありがとう」
僕は夢中でご飯を食べた。
「あはは、ちょっと悠真ったら頬にご飯粒がついてるわよー」
「えっ?嘘?やべっ」
莉子に言われて慌ててご飯粒を取った。
そんなに夢中になって食べてる自分ががっついてるみたいで恥ずかしいなと思った。