第5章 まさかの三股に突入⁉︎
この日はいつも以上にぼぉっとしていた。今日は武田部長がいなかったので助かったなと思った。
午前中はパソコン業務に取り掛かり、午後はお客様の窓口で対応に追われた。
そして気がついたら夕方になっていた。
どうしよう・・・サラちゃんとの同棲の話が進んだら?一緒に住まないと怪しまれるよな。ってことは・・・なるちゃんともあり得る話だ。僕はデスクに座って頭を抱え込んだ。
「なぁ、清水?どうしたよ?」
そこに水島が話しかけてきた。
「あーははは。いやさ、莉子にそろそろ子供作らない?って言われてさ。父親になる覚悟できるかなーなんて。」
俺は今朝の話を持ち出した。
「なるほどね。でもさ、女性が妊娠できる年齢って35歳までとか言うじゃん?それ以降だと高齢出産になるらしいぜ。うちのねーちゃん今年35歳だからさ、すげー焦ってたよ。旦那が子作りに協力してくれないんだとさ。なんかはいらん?なんとか日があるらしくってその日に子作りしなきゃいけないらしくてさ。この間、久々に会ったら俺に愚痴言われたよー。てか弟に愚痴を言ってどうするよ?って話だよな。はははっ。あっ、俺ばっかり話してごめん。でもさ、奥さんとよく話し合って2人で決めることじゃね?」
水島が僕の隣に座った。
「そうだ・・・よな。また莉子とは話してみるよ。」
僕はなんとか作り笑顔でその場を凌いだ。
しかしここでも頭の中が過った。
職場の人にもまだ言っていなかったな。そういや、西田にネット番組に上がってた映像の件だって必死に誤魔化してたし。ってかあれは僕とサラちゃんだし。
不倫がバレたら莉子だけじゃなくて職場のみんなのことも裏切ることになる。
サラちゃんとは何か理由をつけて別れるとして三枝さんとなるちゃんには何て言おう・・・。
でもなぁ、なるちゃんは戸籍を女性に戻すっていう条件があるし、それが終わってからでいいか。
気持ちの焦りもあったがまだいいかと僕は考え、乗り切れる気がしていた。