第1章 日常生活に魔が差して!?
確かにここ最近ニューハーフが増えていると僕は思う。テレビをつければあちこちにいるニューハーフ達。中にはゲイや女装家と言ったややこしいジャンルの方もいるようだが。だからと言って彼女達を責めるつもりはないし寧ろ自分を自分なりに表現していて素晴らしいと思う。そりゃ誰かに責められた事だってあったであろう。でも男を捨てて女になるのはかなり勇気がいるのだと僕は思った訳だ。
僕らは店員に案内された。
「ご主人様4名様ご入店でーす。」
店員の女性(ここでは女性としておくが)が大きな声で叫びながら席を案内してくれた。
ここは何なんだ?大奥か!?僕らが店の中を通る度に店員全員が頭を下げてくれる。
「なんか楽しそうじゃん。」
西田は笑って言った。
「僕はまだ2回しか来たことないですけど。」
木下が恥ずかしそうに言う。
「2回?もう常連じゃんか。」
水島が驚いて木下に言った。
ああ、さっさとこの時間が過ぎてくれればいいと僕は心の中で叫んだ。
「こちらの席へどうぞ。」
僕らが案内された席にはもう女性が座っていた。
「当店一番人気の七瀬愛美です。それではごゆっくり。」
店員が去っていくと彼女はにっこり微笑んだ。
「君はこの前も来てくれた子だよね。あとのご主人様はお初ですか?」
「はい、実は俺らは会社の同僚でこの木下が4月から入社したんで新人歓迎会にと思ったんです。そうしたら木下にこのお店を紹介されて。めっちゃいいですね。」
西田が上機嫌で説明した。
「わかってるのかよ?相手は元男だぞ。」
僕は西田の腕をつつき小声で言った。
「わかってるって。でも元男性には見えない位きれいじゃん。」
西田はウィンクした。西田がウィンクした所初めて見たけど気持ち悪いな。
そして僕らは席に着いてお酒を飲んだ。