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僕は昨日、不倫しました

第3章 2人目の死角


「このデーターは役に立つなあと思いまして。」
「ならいいけど。何か考え事でもしていたんじゃないの?」
部長がウィンクして僕に囁いた。

図星です・・・はい。
午前中は恥ずかしさでいっぱいだった。
午後もいつもと同じくバイクで配達へ回る。
ぶおーん!
そして仕事が終わると帰宅した。
「ただいま。」
「おかえりなさい。夕食で来てるわよ。」
「うん、着替えてくるね。」
いつもの一コマを終えて僕は寝室へ着替えに行った。
ガチャッ
「今日は早く寝ようっと。」
バタン!
寝室のドアを閉めてクローゼットを開けていると僕の鞄からiPhoneのブザーが鳴った。仕事の時はいつもマナーモードにしているからだ。
「誰からだろう?」
画面を開くとLINEにお知らせが来ていた。
「うっ、こんな時に限って七瀬さんからだ。」
『やっほー今度の土曜日空いてますか?デートしませんか?』
普通男から誘うもんだけどな。いや、七瀬さんも男の人だったけど。
しかも僕の恐怖はこれだけじゃなかった。
「ええ?サラちゃんまで。」
『今度の土曜日空いてますか?悠真君を連れていきたい所があるんだけど』
どうしよう・・・2人から同時にお誘いが来てしまった。
僕は震える指でなんとか送信した。
『わかりました。いいですよ。』

え?しまったー!2人の誘い同時にOKしちゃったじゃんかよ。やばいぞこれは。どっかで抜け出しながら2人ともにバレないように会わないとな。
僕はiPhoneをそっと閉じて服を着ると夕食を食べに下の階へ降りて行った。
翌日も僕は仕事に励んでいたが昨日のLINEが気になって仕方がなかった。仕事に集中して上の空にならないように注意を払った。
「やっとお昼だ!」
12時になるとパソコンをシャットダウンしてデスクに莉子のお弁当を広げる。
「清水は相変わらず愛妻弁当でいいなあ。」
そこに水島が通りかかった。
「まあね。そう言えば水島も一人暮らしだっけ?」
「そうなんだよなあ。学生時代に付き合ってた彼女と別れちゃって、今じゃおひとり様よ!一人って寂しいぜ。」
水島が僕の隣に座った。
「そこ西田の席だけど?」
僕は不思議に思って聞いた。
「昼飯の時くらいいいだろっ!どうせ西田は今日休みだしな。」
水島は笑っていた。
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