第3章 2人目の死角
午後は郵便配達へ出かけた。
「行ってきます。」
ぶおおーん!
バイクに跨りヘルメットを被りお客様の家から家へ手紙を届けるのだ。時々小堤を届ける場合もあるけど。
カランカラン。
ポストに手紙を入れていく。いつもの日常が流れる。
「もうすぐ5月も終わりなんて早いなあ。」
僕はそう呟いた。
みんなでやったお花見がつい最近のように感じるけど気が付けばだいぶ日も経ってるんだなと思った。
午後の仕事が終わると僕は家に帰った。
「ただいま。」
「おかえりなさーい。今日は久しぶりに家飲みしない?」
家に帰ったらいつになく莉子が上機嫌だった。
「どうかしたのか?」
「お仕事が疲れた後のキンキンに冷えたビールは最高よ!今日は奮発しておつまみも作ったんだから食べてってよ。」
莉子が嬉しそうに僕の腕を引っ張る。
「わかたって!着替えてからな。」
僕は莉子にそう言い着かえて寝室に行くと着替えに行った。
ガチャッ
「ふう~。莉子の奴何か企んでるとか?ふっ。」
バタン!
「それにしてもサラちゃんとのデート先まだ決めてなかったな?」
僕はサラちゃんへの返事を返した。
『もうすぐ5月だしショッピングモールとか行く?』
ショッピングモールなら建物の中に入っちゃえば大丈夫だと思ったからだ。しかしサラちゃんから意外な返事が返って来た。
『えー?私、アウトレットがいいな。』
アウトレットだって?外をあちこち歩いてたらバレるリスク高いなあ。しかしサラちゃんの押しに負けてアウトレットに行くことにした。