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僕は昨日、不倫しました

第3章 2人目の死角


僕は我に返り家の中を元通りにしてソファーもきれいにした。
「ここであんなことやったんだよなあ。」
しかもオネエとやったなんて何て言う趣味なんだよ!
ガチャッすると玄関のドアが開き莉子が帰宅した。
「ただいま。」
「おかえりなさい。」
僕は平然を装った。
その後、莉子は帰りにスーパーへ立ち寄ったらしく食材を冷蔵庫に仕舞い、夕食の準備に取り掛かった。その間、僕はお風呂の掃除をしていた。
シュッシュッっとブラシをこする音が浴室内に響く。
「バレなくてよかった。」
僕は小声で呟いた。
まぁ、七瀬さんも帰ったし家の中も元通りきれいにしておいたしな。
ジャー!
シャワーで湯船の中を洗い流し僕はほっと胸を撫でおろした。
ピッ!
風呂の栓を入れて運転のボタンを押すとお風呂の蓋とドアを閉めて明かりを消した。
それからはテレビを見ながらリビングで考えていた。
「これからどうするかなぁ。」
ん?これはいけない。
僕はテレビのチャンネルを慌てて変えた。そこにはバラエティー番組にて今噂の芸人の不倫報道がいじられていた。
今の番組ってずっと見てたんだよな?莉子に聞こえてたかなあ?どうしよう?
「悠真、ごはんできたわよ。」
「今、行くよ。」
僕はテレビを消してダイニングへと駆けて行った。

翌日は郵便局の仕事があった。昨日お休みだったのかなんだか久しぶりな気がするが。
「清水君、ちょっといいかしら?」
そこに武田部長が僕を呼んだ。
「はい、今伺います。」
僕は何か悪い事でもしたのかと思い震える足で武田部長のもとへ向かった。
「本当に悪いんだけど今日の配達は午前中に行ってきてくださいますか?」
「はい?」
僕は耳を疑った。
「ほら、いつもは午後なんだけど急な配達ができたのよ。これとこれとあれと・・・午前中に届けて欲しいの。西田君と木下君と水島君には言って分担してあるからお願いね。」
武田部長は配達物を僕に渡してきた。
「ってことは午前と午後の業務が逆になるんですね?」
「そういうことよ。」
なんだ、そんなことか。急に呼び出されて驚いたが話を聞いてほっとした。
「わかりました。行ってきますね。」
僕は配達物をバイクに詰め込んでヘルメットを被り郵便局を後にした。

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