第2章 危険な香りが漂って
翌日、僕は仕事に励んでいた。昨日の事を考えると頭がズキズキ痛む。酒の酔いはすっかり冷めたはずなのに七瀬さんの事ばかり考え過ぎなんだろうか?
この日は午前中にお客様の対応に追われていた。
「いらっしゃいませ。」
今日も淡々と仕事をこなしていくんだろうなあ。
「いらっしゃい・・・ませ。」
またショートヘアーの女子が訪れていた。ここ最近彼女は郵便局にやって来る。誰に何を送っているのか気になる所だけど。
「ありがとうございました。」
こうしてお客様の対応に追われること数時間後ようやくお昼の時間となった。
僕は机の上に弁当を広げ食べようとした。その時LINEが鳴ったのでiPhoneを開いてタッチした。
『あっ、この間話していた悠真君の家に行く件だけど今度の日曜はダメかな?だって悠真君全然返事くれないじゃんかー。押しかけちゃおうかな?』
ええ?そんな急すぎるだろう。
僕は戸惑いの表情がバレないように返信をした。
『ごめんって!ちょっと確認してみるから』
僕は家に帰ったら莉子に予定を聞いてみることにした。
「まずいぞ!なんとかしなきゃな。」
莉子に予定がないなら予定を作ってもらおう。僕はiPhoneを閉じて急いで弁当を胃の中に押し込んだ。
仕事が終わり家に帰ると早速莉子に聞こうとした。
「あのさ、今度の日曜なんだけどさ・・・。」
「ああ、日曜日はママ友とランチがあるのよ。折角悠真君休みとれたのにごめんなさいね。」
やったー!莉子は出かけるのか。僕は内心ほっとした。
「なら、いいんだ。楽しんでくるといいよ。」
夕食の間莉子は今度のママ友とのランチについて食べながら語っており僕はそれを頷きながら聞いていた。
でも莉子が家を出た後が問題だな。バレないように少しずつ片付け始めるか。