第2章 危険な香りが漂って
「っていうかさぁ。それって悠真君の勝手な都合じゃないの?」
「はい?」
七瀬さんは途中まで歩くといきなり止まって僕の方を見た。
「でも僕は仕事で来てるんですよ?前だってお昼の弁当食べようとしたらいきなりLINEがきてびっくりしたんですよ。ああいうの・・・。」
僕がそう言いかけた時七瀬さんが嫌味たっぷりに言ってきました。
「要件は済んだのね?」
「だからやめて欲しいっていうか。僕は郵便局で働いてるんで仕事に影響でたらまずいんですよ。七瀬さんは仕事だからああいう写真送ってきたんでしょうけど。」
僕はしどろもどろに必死に訴えた。
「私は恋人なんだから癒しが必要かと思って送っただけよ。悠真君の仕事のことなんて知らなかったしお昼時だからいいかと思ったのよ。わかったわ!今度から夜に送るわね。5時30以降なら大丈夫よね?私はサービス精神旺盛だからいっぱい送っちゃおう。動画でもいいのよ?」
七瀬さんはニヤリと笑って僕の肩を掴んだ。
背中にぞくぞくとした何かが走った。
夜ってマジですか?莉子にバレたらまずいじゃん。
「あっ、そうだ。今度悠真君の家に行きたいんだけどいつなら空いてる?」
展開早すぎないか?っていうかそうなると莉子にはどこかに行ってもらわないとまずいなあどうしよう。
「ちょっと予定を確認してみるよ。また連絡するから。」
「あら、そう。じゃあ連絡待ってるわね。」
七瀬さんは僕の言葉をあっさりOKしてくれた。そして僕の頬にキスをすると手を振り去って行った。
やばい!頬にキスマークついてるじゃん。
僕は腕で必死にキスマークを拭い去ろうとした。するとそこに西田がやって来た。
「大丈夫だったか?あれ?七瀬さんは?」
「とっくにどこかに行ったよ。」
僕は遠くを見てなるべく頬のキスマーク跡がバレないようにした。
「ちぇっ、つまんねーの。それで七瀬さんと何の話だったんだよ?」
西田は舌打ちをして腕を頭の後ろで組んだ。
「いや、仕事上手くやってるかなって。あと僕らの仕事って言ってなかったじゃん。だから報告してきただけ。」
僕は淡々と述べた。
「それだけかよ!あっそう。」
西田はつまらなそうに元来た道を戻って行った。そして僕もそれに続いて局長達の所へ戻った。
こうして花見はあっという間に過ぎて言った。
「あ~七瀬さんが僕の家に来るなんてどうしよう?」
僕はこのことで頭がいっぱいだった。