第2章 危険な香りが漂って
配達が終わると局員達や局長に挨拶を済ませて帰路に着いた。
そういえば武田部長は今日はお休みだったのか。今日は武田部長の姿が見えなかったのでお休みなんだなとふと思った。武田部長って休日何してるんだろう?いつも仕事でまじめだからプライベートでもきっと真面目なのかな?なんて考えているとなんだか笑えてくる。
「ぷっ、はははは。どこまで真面目なんだか。」
っていうか武田部長だったらカラオケで何歌うんだろう?Kiroroとか?いや意外と洋楽だったりして。
そんなことを考えながら家に着いた。
「ただいま。」
「悠真おかえりなさい。夕食できてるわよ。」
莉子が笑顔で迎えてくれる。
「ああ、ごめんなさいね。午後雨だったものだから洗濯物が乾かなくてリビングに干してあるのよ。まだ乾いてないかもしれないわよ。」
莉子は思い出してそう言った。
「だよな~。午後の雨凄かったよな。まあ、明日には乾いてるんじゃないかな?」
僕は頷いた。
主婦って大変なんだなーって思う。掃除洗濯に家事なんか僕だったら疲れちゃうんだろうな。毎日温かいごはんとお風呂が待っているなんてこんなに幸せなことなのに何故か浮かない気持ちになる。気が付けばずっと七瀬さんのことばかり思うようになっていた。こんな自分が情けないと思うけどこればかりは仕方ないのかな?とりあえず今日も莉子にバレずに済んだしよかったな。
翌日も僕は仕事に励んでいた。
「ああ、もうお昼の時間か。」
僕は時計を見て言った。
机に莉子が作ってくれた弁当を広げる。
「何だか喉が乾いたな。」
僕は水筒に手を伸ばして飲み始めた。
すると僕のiphoneが鳴った。僕はパスワードを入力してLINEをタッチした。
「ぶーっ!」
僕は吹いてしまった。その拍子に僕の口の中のお茶が弁当の上に溢れ落ちた。
僕はLINEを見て驚いてしまったのである。
そこには七瀬さんからメッセージと共に写真が貼り付けてあった。
『おーい!リフレッシュしてるかい?』
そして七瀬さんが左右の胸を中央に寄せている写真が貼ってあったのだ。上半身は裸で乳首にシールが貼ってあった。
「どうしたの?」
そこに武田部長が話しかけてきた。
「大したことないですから。」
僕はバレるとまずいと思い咄嗟にiphoneを閉じた。
ばれなくて良かったとの安堵と七瀬さんは何であんなのを送ってきたのかと思った。