• テキストサイズ

僕は昨日、不倫しました

第2章 危険な香りが漂って


翌日も変わらず仕事に入る。今日は後輩の木下も来ていた。
「いらっしゃいませ。」
僕は窓口に着き大きな声でお客様に呼びかける。そして着々とお客様の対応に応えていく。子連れのお客様にはちびっこにキャンディを配ったりもした。
「インターネットバンキングの利便性ねえ。」
最近この言葉をよく耳にする。銀行では当たり前のようだがうちの郵便局でも数回問い合わせがあった。
ネットバンキングとは、銀行との取引をインターネットで行うことだ。銀行により違いがあるが、インターネットで利用できる主な取引には次のものがある。

★残高照会
★入出金明細の照会
★振り込み
★振り替え
★定期預金の預入や解約
★外貨預金の預入や解約
★投資信託の購入や解約

口座にお金があれば、インターネット取引専用のサイトから入力することで様々な取引ができて便利なのだ。ただし、インターネットではできないことがひとつ。現金での口座への入金と出金だ。これはATMを使って行う。

確かにうちの郵便局でも自動ドアを入ってすぐ横にATMはあるが銀行ではないため利用できないことを伝えているのだ。お客様にはご理解を頂きたい。
こうして午前中の業務が終わると僕はデスクに莉子が作ってくれたお弁当を広げた。
その時、iPhoneが鳴った。

ブルブル~
「何だろう?」
iPhoneを開きパスワードを入力するとLINEにお知らせが来ていた。
「あっ・・・ええ?」
僕は最初は訳がわからなかったが読んでいくうちに理解できた。

『やっほ~愛美です。お元気ぃ?今度の休みにデートしませんか♪最近できたかき氷屋さんに行きたいなーって思っていたんですよ。表参道の所です。またお返事くださいね。』

どうしよう?七瀬さんからデートのお誘いが来てしまった。莉子には何て言おう。取り合えず僕は返事を打って送信した。

『わかりました。時間はいつがいいですか?』
するとすぐに七瀬さんから返事が来た。
『10時30分はどうですか?待ち合わせ場所はこの間の路地裏でね。待ってますね。』

ああ、とうとうデートの約束をしてしまった。今度の土曜だよな。西田と買い物に行ったとでも言っておくか。でも莉子が西田に聞きだしたらお終いだぞ。さて、どうする?僕は食事中、七瀬さんとの約束をどうやってバレずに済むかを必死に考えていた。
/ 105ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp