第1章 日常生活に魔が差して!?
「でも僕がお店に忘れ物したんですよね?だったら直接お店に向かった方が。」
僕は不思議に思って首を傾げた。
「違うわよ。じゃあ、目を閉じてみてくれる?」
「えっ?はい。」
僕は七瀬さんに言われた通りに目を閉じた。すると七瀬さんの手が僕の手首を掴んだ。
「ここ触ってみてくれる?」
ここってどこだろうと思うと少しドキッとした。
あっ・・・何か柔らかいものが当たった。
「私の心臓ドキドキしてない?わかるでしょう?」
ちょうど七瀬さんの胸の谷間に手を当てられたのだ。
「そうなんですか?どうして?」
僕は聞き返した。
「ああ、男の子ってやーね。わからないのかしら?」
いや、七瀬さんも元男ですけど。
「実はさ、この前うちのお店に来てくれたよね?あの時のお酒の飲みっぷりがかっこいいなって思ってさ。」
七瀬さんの嬉しそうな声が聞こえる。
「そうだったんですか?僕はあまり覚えていなくて。」
ただ、お酒を飲んでいただけなんだよな?酔った勢いで七瀬さんとキスしてないよな?色々な事が頭の中で巡っている。
「じゃあ、もう目を開けていいわよ。」
僕は七瀬さんの言われた通りに目を開けた。
「私、清水君のこと好きになっちゃったみたいなんだよね。正直オカマで引いてるんでしょう?」
僕は七瀬さんの言葉にひどく驚いた。
「そんなことないですよ。きれいだと思います。でも・・・。」
僕が言いかけた言葉を遮るように七瀬さんは続けた。
「でも私は体の全部を整形したの。お金は結構かかっちゃたけど満足しているわ。それと問題があってね。私はまだ戸籍が男性のままなのよ。協力してくれないかしら?清水君と付き合えば戸籍も変えられるじゃない?だからお願いね?」
七瀬さんは自分の谷間に僕の手を押し込んでウィンクをした。
ああ、男性だったとは思えない位やわらいかいおっぱいだなあ。と僕は感心してしまった。まるで本当の女性のおっぱいの様だ。僕はうっとりと七瀬さんを見つめた。大丈夫、莉子にはばれないように上手くやろう。
「はい、よろしくお願いします。」
「やったわ。私達は今日から恋人同士ね。じゃあよろしくね。」
七瀬さんは僕から離れて去って行った。
ああ、僕は何をやっているんだろう?これが僕の不倫の始まりであった。