第10章 計画2:酒とあなたで酔いしれて❤︎
この日も姫ちゃんずクラブで働く。
「いらっしゃいませ」
オーナーや他の女性(オカマ)達に知られてないといいけれど。そんなことばかり考えながら接客をしていると顔にバレてしまうのかしら?ドキドキしながら接客していると店のドアが開いた。
カランカラン。
「いらっしゃいま・・・せ」
悠真君だけでなく、この日は水島君と木下君も一緒なのね。なんてことを!?
そうか西田君は結婚したから奥様と来店されるんだったわね。
「水島さん、木下さんはお久しぶりですね。悠真君はどうもー」
「おい、悠真っ!いつからそんな親しい仲になったんだよー?」
水島君が悠真君の肘を叩いている。
私は席に案内してとりあえずジョッキを生で3つ運んできた。
「皆さん飲んでくださいね」
ニコニコする商売も上がったり下がったりなのよね。
もう勘弁してよー!?あの女のせいで私の順位が下がったらどうしてくれるのよー!?
「あれ?愛美さん顔が引き攣ってますよ?」
「やだぁーそんなことないですよぉー。ささ、飲んで飲んで♫」
木下君に言われて私の心に火が付く。こうなったら悠真君に最高級のお酒を飲んでもらわなくちゃ。
「あっそうだわ!うちのお店に入った新しいジンウォッカっていうお酒があるんですけど飲んでいきませんか?」
この際だから木下君と水島君も飲んでもらいましょう。巻き込んで申し訳ないけれど。
「いいですね!」
3人の意見が一致したのを見届けて私はジンウォッカの瓶とグラスを持ってきた。
「只今、お作りしますわ」
「てか、悠真って既婚者だろ?そんなにここに通っていたんか?」
「いや、通ってはないよ。友達っていうかなんというかー」
「ともだちぃ?」
水島君に聞かれて答える悠真君はどことなくぎこちなかった。
いやいや、私との関係をなんだと思ってたの?今まで散々デートもしたじゃない。なのに友達止まりとか許せないんですせどー?
私は氷を手で掴むと勢いよくグラスに突っ込んだ。
私の実力はまだまだこんなものじゃなくってよー?今に見てなさいよー!!!
私は怒り浸透で頭の中がいっぱいだった。