第8章 加害者たちと立ち向かえ!
私は女性達=加害者達を集めて話を切り出す時に冷静さを保てるのか不安が過った。
向こうは加害者であり被害者でもあるけど、私だけは被害者だけだ。
本当なら泣きじゃくりたいくらい顔を歪めたかったのかもしれない。しかし、加害者達を知ってしまった時に(悠真君の不倫相手がまさか複数いるとは知らなかったけれど)悲しみよりも呆れた方が勝ってしまった。なんだろうこの気持ち。怒りを通り越して呆れて何も出てこないような感覚。頭の中ではわかっていても心が追いついていかないようなそんな気持ちに襲われた。
この夫婦生活は一体なんだったのか?これまでの愛と信頼は私の疑念によってあっさりと崩されてしまった。それどころか悠真君を避けるようになり、夫婦間に大きな壁ができてしまった。しかし、今はこの大きな壁を悟られるわけにはいかない。だから私は平然を装うことで自分の気持ちを落ち着かせていた。
落ち着こう、落ち着こうと自分の心に言い聞かせて過ごしてきた。
もう、夫婦で一緒に寝ていたベッドに入ることすらも怖くなってしまった。最近は悠真君と一緒に寝ていない。私が何かと理由をつけて自宅のソファーに寝ることが習慣になってしまった。普段の料理も私が食べたいものをひたすら作るだけ。怪しまれないように悠真君のと私ので2つずつ作って。
食事の間はテレビをつけて見ながら食べる。そうでもしないと無言のまま過ぎてしまいそうで怖いし、怪しまれると思ったのでテレビをつけながらテレビの話題を振るようにしていた。
こうしてみると女優って凄いなと思う。演技の中で泣いたり、笑ったり、怒ったりする。私は顔に出やすいタイプだから平然を装うのに色んな女優の表情を見て勉強していた。
これも最終的に旦那を抹殺するためー!?