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【鬼灯の冷徹】短編集

第3章 (鬼)フラグクラッシャーに私はなりたい



「それでも腹が立つったらないのよ!!!」

「うんうんわかる、あいつ仕事のことしか考えてないから頭カタいんだよねぇ」


ここは極楽満月。私は白澤さんの所で愚痴を、というか怒りをぶつけているのだった。
まあ白澤さん自身も鬼灯様の事が嫌いだからなんだろうけど、私の愚痴を嫌な顔ひとつしないで聞いてくれるからすごく助かっている。
そしてお茶も出るしもふもふ動物(癒し)にも出会えるから、休息にはとっても効果的なのだ。

「ね、多分仕事しかしてないから頭の中まで書類で詰まってるんでしょうよ」

「もうちょっと遊びを覚えればいいのに馬鹿だよ。あーやだやだ、あんなのと一緒にいたら堅物が移るよ璃々ちゃん」

「ほんとよね、仕事馬鹿が移ったら男もできなくなっちゃうわよ。あー早く上司戻って来ないかな。息苦しくてやってらんない」

「ほう」

「本当に仕事出来ない人には怒りすらしないとか私が見込みあるから注意されたのよとか色々鬼灯様のフォロー聞いたけど、そんな事ないと思うわね私は。あれよ、きっと怒るのが趣味なのよ。部下いびってストレス発散してんのよえげつないわ嫌らしいわそんなの御免だわ」

「ほほう、なかなか言ってくれますね」

「!!?!?」

びっくり仰天、とはまさにこの事を言うのだろうか。
鬼灯様が、入り口にいつもの黒い着物を着て腕を組み仁王立ちしていて。私は椅子から転げ落ちそうになるかと思った。

「ほっ、あっ、これはっ」

「いえいえ、取り繕う意味などありませんよ。先ほどの言葉の数々、しっかりと胸に刻ませて頂きましたから。ちなみに私は貴女のテンションが上がった最初からいました」

「あう」

「さて、では、ちょっと貴女に用が出来たので、さっさと戻ってきてもらいましょうか」

「………」

ああ、神よ。これ私死亡フラグ。死んでるけど。
白澤さんに救いを求める暇も無く、私は首根っこを掴まれた猫のようになって鬼灯様に連れ戻されたのであった。



2013/7/20
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