第3章 (鬼)フラグクラッシャーに私はなりたい
あンの鬼上司。
私は悔しさに歯を食いしばりながら木の机を睨みつけていた。
最近三途の川を渡ってきた亡者達についての報告書をまとめて提出したのだが、それがずたぼろに言われたのだ。あの鬼補佐官によって。
まあ、私の報告書の出来が良くなかったのは認めてもいい。私だってそこまで自分の仕事に自信持ってるわけじゃないし、ベテランなわけでもないし、改善すべき所は改善していきたいと思う向上心くらいある。
だけどあの鬼といったら。
いや、鬼、なんていう言葉は、最早ここでは罵倒用語のうちに入らない。ここでは鬼がほとんどなのだし、彼ももちろん鬼だ。しかし鬼以外に適切な言葉が何かあるだろうか。ドSか。
うっかり鬼上司なんて口走らなくてよかった。もし言ってしまったら、貴方私が鬼以外の何に見えますか、むしろ鬼に見えなかったら病院行った方がいいですよ、とかなんとかねちねち毒を言われてしまう。
今日に限って私直属の上司は出張。明日にでも見てもらうかと思っていたところに鬼補佐官…鬼灯様と出会ってしまったのが運のつきだったのだ。
「璃々さんのこれ、作文かと思いましたよ。先ず個人的主観が入りすぎです。文法も支離滅裂、句読点もよくこんな気持ち悪い位置に打てますね。その上要点がまとまっていないせいでなにも伝わりません。解りにくいですから書き直してください」
…思い出すだけで拳に力が入る。
彼が物凄く仕事が出来る人だというのは知っているし、だからこそ私の報告書の半端な
部分が色々と目につくんだろうけど…それでも!