第1章 01~07
「申し訳ない!」
ぱん、と手を合わせて頭を下げる。目の前には憮然とした表情の銀髪天パ。
「まさか落ちてそのまま気絶して寝てしまったとは思わなかったもので…本当に申し訳ない!」
「あーもーいーよそんな事ァ。男と添い寝して銀サンお嫁行けなくなりそうだけど全然気にしなくていいから。精神的ダメージとか気にしなくていーから」
めちゃめちゃ恩着せがましいじゃん、と思いつつも言わないでおく。
言えば確実にコンマ1秒後には家の外だ。
しかし自分自身信じられなかった。
いくら何でもこれはナイ。人んちの屋根ぶち破るとかナイ。
あまりにあり得なさすぎてどうしたらいいのかわからナイ。
「あの…お名前は」
気まずい空気を何とか和ませようと少年が聞いてきた。
「あ、籠三乃芽です」
「僕は志村新八です。こっちが神楽ちゃんで、この人が坂田銀時…僕らは銀さんて呼んでますけど」
「どうも。宜しくお願いします」
「オイオイ新八くん。何いきなり仕切っちゃってんですか。ここの主を誰だと思ってんだァ」
「認めたくありませんがそこの銀髪天パですかね」
「認めるアルぱっつァん!腐りきった現実から目を逸らすな!その中に希望を見つけて生きていけばいいアル!大丈夫お前ならできる!」
「そんな重たい助言いらねーよ!」
「ちょっ銀さん無視するのだけはやめろやお前ら!」
この3人は相当仲がいいらしい。今までの城の中では見た事もなかった勢いと言葉遣いに、乃芽は思わず吹き出した。
すると目ざとく銀時が振り返る。