第3章 12~19
「で、これからどうするつもりなんですかィ?」
沖田が尋ねた。
「ちょっと家壊しちゃって…当分は、銀さんの家に住みこみで働くつもり。でももう一つ融通がきく仕事が欲しくて今探してるところ」
「だったら丁度いいのがありまさァ。真選組の女中になりゃあいい」
「じょ…女中?」
躊躇いなく発された言葉に面食らう。
しかし沖田は続けた。
「あんな洗濯もできねェヤローばっかの所に女中がいないわけねーだろィ。何なら俺専属の女中にしてやってもいいぜィ。ねェ土方死ね」
「まーな…屯所なら城の動きも知りやすいし、上手い具合に匿えるか。だがテメー専属ってなァお断りだコノヤローお前が死ね」
「何言ってんでィ。あんなむさ苦しい所に乃芽置いたんじゃいつ襲われちまうかわかりませんぜ。俺が守ってやるって言ってんでさァお前が死ね土方」
「お前の所に置くのが一番危ねー気がするんだがな」
死ねを連呼する二人は相変わらずだ。乃芽は銀時を振り返る。
大人しくしていた彼は、目が合うとため息をついた。
「マヨに汚染されんじゃねーのお前」
「されません。真選組なら大丈夫そうですし、いいですか?」
「サドとマヨラーとゴリラの所なんざ気にくわねーけどなァ。他のとこ行って危なくなるくらいなら、ここがいいだろ」
「はい」
「ただ襲われねーよう気をつけろよ。襲われたら銀さん鬼になっから」
冗談なのかわからなくて、微笑みを返す。
すると銀時はぽんと乃芽の頭に手を置いて撫でた。