第3章 12~19
爆撃の瞬間銀時が乃芽を後ろに引っ張る。直前に聞こえた声に気を取られていて、引っ張られるままに銀時にぶつかった。
「あ ごめん」
「んや」
目の前をかすった爆撃を眺める乃芽の後ろで、銀時は新八の向こう側を見ていた。
それに気付いた乃芽も目をやると。
「ちッ…逃がしたか」
「ったく何回逃がせば気が済むんですかィ土方コノヤロー」
「あの砲撃はテメーがやったんだろが!」
瞳孔開き気味と、爽やかそうな美少年。
乃芽は目を見張る。
脳裏に、甦る。
「昼間っから騒々しいなァ大串君」
「テメェは…!俺ァ大串じゃねぇっつってんだろ!」
黒に銀縁の隊服。真選組。
指名手配犯である桂を追っているのだろう。
しかし爆撃された場所には既に桂はおろかあのペンギンお化けもおらず、乃芽と目が合った新八は苦笑を返した。
その雰囲気から、これも日常なのかと察する。
全く賑やかな日常だ。
それよりも。