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【おそ松さん】とあるタヌキの事情

第9章 初めてのおつかい IN 赤塚


タキSIDE


はぁ…本当この人頭の中お花畑よね…。

《…けて…が…い…》

『…えっ…………誰?』

《たす…けて…おねがい……この子…》

『……………こっちか』

すぐ横の路地裏…どこ?どこにいる…。
五人…何かを囲んで何かしている、声が聞こえたのはその中心から…。

『ねぇ?あなた達何をしてるの?』

振り向く人間達の間から血に濡れた何かが見えた…。
五人の中の一人が手に持つのは…まだ小さな赤ちゃんタヌキ。
血に濡れて横たわるのはたぶんその子のお母さん。
とっさに体が動いた…子タヌキを助けるのに顔面膝蹴り、突然の出来事に手を離された子タヌキをキャッチすると跳躍して塀の上に立つ。

「な、何しやがるっ!!」

口々に騒ぎたてる人間達…。

『何をしてるはこっちのセリフよ…』

カ「タキちゃんっ!!」

『カラ松さん…ちょうどよかったわ、この子お願いっ!』

トントンと塀の上を跳躍して後から追い付いてきた彼の元に降りると子タヌキを預ける。
私今凄くムカついてる、こんな事した人間は殺してやりたい…けどここは赤塚…下手な事出来ない、皆に迷惑かけてしまう…だから殺しはしない…でもお仕置きするぐらいならいいよね。

殴り掛かってきた人間を軽くよけると間接技をかける、ボキリッ、いい音がした、悪い事するような手なんていらないよね♪両手を折ってやった。
気がついたら両手両足をあらぬ方向に曲げて気絶してる人間達、いい気味よ…。
私はナップサックからハンカチを取り出すと既に息絶えた母タヌキを抱えて血を拭い取る、人間はいつだって勝手だ…勝手に山を追い出して、それでも一生懸命に生きてるだけで特にこの子なんて悪い事なんてしてないのに勝手に命を奪う…。
あれ…なんでかな…?涙が止まらないよ…お母さんタヌキ…ちゃんと土に埋めてあげなきゃね…。
袖で涙を拭うと子タヌキを大事に胸に抱いてくれてるカラ松さんに聞く。

『カラ松さん…この子ちゃんと土に埋めてあげたいの、どこかいいところないかな?』

カラ松さんが教えてくれたところは初めにカラ松さんと出会った公園の横の雑木林。

『ごめんね…もっと早く助けてあげられたらよかったのにね…』

「タキちゃん…そ、そうだっ!よく見たらこの赤ちゃんタヌキ怪我してる、その…よかったら家にこないか?手当てしないと…」
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