第8章 初参戦
猫はテラスのテーブルを見る…テーブルの上?いくら陽当たりがいいとはいえテーブルで寝ててチョロに見付かったら叱られそう…。
結局はテラスが一番陽当たりいいのなら下で寝てもいいか。
『《猫さん教えてくれてありがとう、でもテーブルの上で寝たらうるさい人いるから私は下でゴロゴロするね》』
《じゃあぼくも一緒にゴロゴロしよ♪》
『《うん♪それもいいね》』
テラスで猫と横になる、確かに陽当たりよくて気持ちいい♪
ポカポカでお腹に日が当たって気持ちいい………。
《ニャ~》
「こんなところで寝てたんだ…シロ、タキと遊んでくれてたの?」
誰かが撫でてる…誰かに語りかけてるこの声は…いち?
ムクリと起きて撫でてる人を見るとやっぱりいち…。
膝にのせた猫に話かけてる…。
『《おはよ…猫さん》』
《起きたんだね、もう日も落ちてるしおやつもらったからぼくは帰るよ》
『《うん、またね♪》』
猫はいちの膝から降りると行ってしまった。
いちは椅子に置いたままの服を持つと私を抱き上げテラスから食堂へ入ると私をおろす。
「人型に戻って服を着なよ…チョロ松兄さんに見られたらまたうるさく言われるよ?」
ボフンッ!!
『いち、お帰りなさい♪』
私はいちから服を受けとると手早く着る。
「シロと日向ぼっこしてたの?」
『シロっていうんだ猫さん、陽当たりのいいところ教えてくれて一緒にゴロゴロしてポカポカで気持ちよかったよ♪』
いちはクスクス笑って私の頭を撫でる。
「そうなんだ、よかったね…」
『皆忙しそうだし、私する事なかったから庭で走り回って遊んでたの、久し振りに尻尾を追いかけたりして楽しかったよ♪』
「何やってんの…一人遊びってやつ?」
『そう♪一人だった時はいい運動になるからよくやってた』
「へぇ…楽しかったならいいんじゃない?ああそうだ、晩飯は帰ってきてからだって言ってた、もう少ししたらここを出る時間になる…無事に帰ってきて皆で晩飯食べようね」
『うん♪』
私の初仕事…ドキドキするけど大丈夫、うまくやれる…。
時間までいちが一緒にいてくれた。
私達は二台の車で交渉場所に移動する、一台はいち、待機場所は交渉場所から1.5キロ離れた場所、丁度見張らしのいい廃ビルがある。
そこでいちのスナイパーライフルを出す、ここからはいちは一人で別行動だ。