第8章 初参戦
あれだ…なんか今捕まったら絶対拷問部屋(チョロ部屋)へご招待だ。
下手に逃げても捕まるのは学習済み、ここは然り気無く散歩とでも言っておけばやり過ごせる…かもしれない…。
「あれ?タキちゃん?何してるの?こんなところで」
『チョロ♪さっきぶりね、ええとね私は散歩中、じゃあね』
さっさと立ち去ろうとしたら肩に手をかけられる、ビクッ!!へ、平常心保たなきゃ…。
『な、何?チョロ?何か用?』
「カラ松兄さんの刀抱えて散歩?持ち主は?」
『えっと、カラは厨房…私は今から部屋に戻る所よ、うん♪じゃあね』
「ちょっと待って、もしかしてトド松達捜してる?あいつらなら今ちょっとヤボ用で出掛けてるよ、晩飯までには戻ってくるけどね」
『そ、そう?べ、別に捜してないわよ?本当に散歩してただけだから、あっ…そ、そうだおそ…じゃなくてボスって今どこに居るのかな?』
「おそ松兄さんに何か用なの?兄さんなら今ちょっと手が離せないんだよね、報告があるなら僕が聞くよ」
チョロ…なんだか少しゲスい顔をしてるのは気のせいかしら…下手なホラーより恐いし怖い…早く立ち去りたい。
『あ、後にするね、自分で直接言うし、じゃあね』
「ちょっと待って、部屋に戻っても一人でしょ?心配だなぁ…そうだ♪僕の部屋に遊びに来たらいいんじゃないかなぁ?ねっ?そうしよう」
そうきたか…嫌だぁぁーっ!誰でもいい助けてっ!尻尾でナデナデしてあげるからぁぁーっ!こうなったら最後の頼みの綱…。
『あ、あー…小腹が空いたなぁ…何かないかちょっとカラのとこに顔出してくる、じゃあね』
「あーそういえば僕、美味しいクッキー買って来てたの忘れてた、それに今カラ松兄さんの厨房に行ったら叱られるよ?どう?僕の部屋に食べに来たらいいんじゃないかな?」
マジでっっ!クッキー食べたぁい♪もうダメ、そんな奥の手出されたら行ってまうやーんっ!!
『うんっ♪行くっ!!チョロ早くぅ!♪』
私はチョロの手を引いてクッキー部屋(拷問部屋改め)にご機嫌に向かう。
完璧ゲス顔で後ろで呟くチョロの言葉も聞こえないぐらいに…。
「まったく…あれだけ警戒してたのにクッキーぐらいで釣られるなんてね、でも今は君を懐柔する方が優先順位だからね…暫くはおとなしく甘やかしてあげるよ…フフフ♪」