第8章 初参戦
本当に何だろ…この不思議な感情…よくわからないや…。
『あっ…そうだカラ、雷切出してからどのぐらい時間経った?』
私から離れて雷切を手に取り腕時計を見ながら雷切を私に渡す。
「具現化してから50分ぐらいだな」
『後もう少しで結果が出る…お願いだから…消えないで…お願い…』
祈るようにぎゅっと雷切を抱き締める。
そんな私の頭を隣に座り直したカラが引き寄せる。
「オレも一緒に祈るぞ、きっと大丈夫だ」
『うん…』
ソワソワして落ち着かない…。
「タキ…尻尾がチョロ松仕様になってるな、少し落ち着け」
『う~…でも少しの時間が長く感じる…』
「フム…それなら…」
カラは私の顎を上げると深いキスをする、んん…吸収と発情以外でのキスは初めて…。
なんだろう…発情なんてしてないのに…キスだけでなんで?どうしてこんなに興奮するしカラが欲しくなるの…?
『ん…クチュ…んう…ん…は…はぁ…プハ…待って…カラ』
口を離すとカラが時計を見る。
「ほら、あっという間に時間が経ったぞ?」
雷切は?消えてない…やった…やったぁ♪
『カラ…やったぁ♪一時間以上保ってるっ!どこまで保てるのかなっ!?後二時間保ってくれたらいいなぁっ!!』
「二時間か…だいたい19時半ぐらいだな、オレは今から厨房に籠らなければいけないんだ、タキの力の源だからな、手を抜くわけにはいかん。一松かトド松か十四松の部屋にでも遊びに行くか?」
『うん、誰か部屋に居ればそこにいるよ、カラの美味しい料理が出来るの待ってる♪』
「あぁ♪待っててくれ、あっ…もしトド松の所ならクッキー食べ過ぎたらダメだぞ?」
『はーい♪』
カラが部屋を出ていった、私も雷切を持って部屋を出る。
さて…誰か居るかな?まずはトドの所のドアをノックする。
『トド、タキだよ、居る?』
シーンとしてる、居ない…残念、ならジュウシー…も居ない…、ならいち…も居ない…。
まだボス達と執務室に居るのかな?行ってみるか。
執務室のドアをノックするけど反応がない…。
応接室かもしれない…ノックしてドアを開ける、誰も居ない…、広すぎてその他の場所なんて地下ぐらいしか思いつかない、はぁ…なんだかなぁ…仕方ない部屋に戻ろう。
踵を返し振り向けば…ん…?うわっ!向こうから歩いてくるのはチョロっ!