第5章 団欒中につき襲撃禁止
「どうかしたって、俺知らなかったんだけど?」
『私にとってはあたりまえの事だから言うの忘れてた、ここに来てから他の動物には会わなかったし…何か問題でもあるの?』
「いや…ねぇけどさぁ、まぁ、今回はおかげで対処が早く出来た、ありがとな、タキ」
『そう?なら、よかった』
はぁ…気が抜けたら疲れた…ボフンッ!!耳と尻尾を出してソファに座ると肘掛けに凭れて目を閉じる…。
トサリ…誰かが隣に座った…チラリと見ると…うわぁっ!カラだ!忘れてた…カラもここにいたんだった!ビクゥッ!出した尻尾がブワリと膨らむ。
「タキ…そんなに怯えないでくれ、すまない…怖がらせたオレが悪かった、だからそんなに警戒しないでほしい」
カラ? 元に戻ってる?本当に?おずおずとカラを見るともうあの怖い目はしてない…わ、私も謝らなくちゃ…。
『ごめんなさい…カラ、私も余計な事した…ちゃんと勉強するし…もうあんな物出さないように頑張るから…』
あ…なんでだろ…安心したら泣けてきた…ポロポロ涙が出る…。
『えぐっ…ヒック…格好いい武器…ちゃんと出せるように頑張るから…もう…あんな怖いカラ…見たく…ない…よぉ』
「おいで、タキ」
カラが腕を広げて私を呼ぶ。
『うわぁ~ん!!カラァッ!!ごべんなざぁい!!』
泣きながらカラの腕の中に飛び込むと、優しく抱き締めて落ち着くように背中をポンポンしてくれる。
「何泣かせてんの?」
いちが戻ってきた。
「よぉ♪一松!お疲れさん、使い心地はどうだった?」
「ヒヒ…凄いよ、100%の命中率、威力も凄いからね…一発で終わった」
「よくやったね、一松、お疲れ様」
「お疲れっす兄さん!!」
ガチャリ、丁度トドも戻ってきた。
「あっ♪一松兄さんお疲れ様~、見てたけど凄い威力だね!それとチョロ松兄さん、あの武装したトラックだけどね、調べてみたらこの前潰したファミリーと同盟組んでるマフィアだったよ、近々接触してくるかもね、後で詳細纏めておくからよろしく♪」
「ふ~ん、まっ、交渉次第だよね、いきなり武装して襲撃しようってんだからさ、こっちもそのつもりでいないとね」
「おう、トド松もお疲れさん、仕事早くて助かるわ」
「まぁね~♪って、あぁっ!もう仲直りしちゃったのぉ!?」