第12章 休日の過ごし方
カラ達が出掛ける用意が出来るのをマメを構いながら待つ。
「タキ、待たせたな、行こうか♪」
カ「お待たせ、タキちゃん」
カラの運転する車に乗り街へ出掛ける、そういえば屋敷の一階へ降りた時に大工姿の同じ顔した集団がいた、揃ってダヨーンダヨーン言ってたからあれが業者なのかカラに聞いたら話をそらされた…触れられたくないみたいなのでやめておいた。
店の前の駐車スペースにゆとりのある、おしゃれな喫茶店が目当ての店みたい。
「タキ、さすがに飲食店にマメは連れて入れないから車の中に置いていってくれ、それと耳と尻尾は絶対出すんじゃないぞ?後で広い公園に連れて行ってやるからな」
『ブー…動物差別反対……わかった…ごめんねマメ…待っててね』
一番端に車を停めて私達は降りると店に向かう。
前を歩くカラの後ろについて歩いていると声が…。
《…かさん…お母さん…どこ…》
声が聞こえる…幼い声…どこ?キョロリと見渡すと駐車場の前の車の通りの多い道路の横…ヨチヨチと歩く子猫…危ないわね…。
あぁーっ!道路に出たっ!?ダメッ!ほっとけないっ!!
今車が来たらひかれるぅっ!!元に戻って走った方が早いっ!!ボフンッ元に戻り服から抜け出て走る、後ろからカラが慌てて何か言ってるけどそんな場合じゃない。
子猫の元にたどりつくとすかさず口にくわえたその時、けたたましいクラクションの音、間に合わないっ!カラの姿を確認すると子猫を渾身の力でカラ達の方へ放り投げる。
直後にドンッッ!!て音と凄い衝撃と一瞬の激痛を感じたと思ったら私の意識はそこで途絶えた…――――‥‥。
ここ…どこだろ…。
一面の真っ暗な世界…。
『ん~?何…ここ…不思議ね…周りは真っ暗なのに…自分の手ははっきり見えるとか…』
?『起きたようじゃな…』
『誰っ!?』
急に聞こえた声…私の声…?でも…私じゃない……。
?『わらわはおぬし…おぬしはわらわ…』
『はっ?何それ…?』
ポゥッと暗闇に私…?違う、姿は私だけど…私じゃない…。
?『こんなにも早く瀕死状態になるとはのぅ…永くは寝かせてはくれぬか』
呆れたような声とともに着物?を着た私が現れた。
白地に橙色柄の膝丈がミニと言ってもいい着物、帯も橙色、足は足袋に底の高い草履。
『私…?』
?『寝ておれ…ここからはわらわに任せよ…』