第2章 六つ子なマフィアと秘密の力
いちは、私の尻尾をブラッシングした後、頭と尻尾を優しく撫でる、いちの手も気持ち良い。
『いちの手も凄く気持ち良い…』
手の肉きゅうも揉んでマッサージしてくれる…。
「一松兄さんは猫で触りなれてるもんね、ボクもマッサージ勉強しとこうかな♪」
トドも精進しなよ…。
そうしているうちに、いい匂いのするトレイを持ってカラが戻ってきた。
「こんな時間だから簡単なものですまない」
言いながらトレイをテーブルに置くと、いちの膝から私を抱き上げ元のソファーに座る。
『チーズご飯?』
「フッ、Cheese Risottoだ」
カラはそう言うとスプーンで掬ってフーフーしてから私の口に持ってくる…。
ああ…この姿だから子供扱いなのかな?
『カラ、化ければ一人で食べれるよ?』
「だが大きくなったら裸だろ?little girlのその手じゃスプーンが持てない。遠慮するな食べさせてやる」
う~ん…それもそうか。
『分かった』
掬ってくれたチーズご飯を頬張る、モグモグゴクン…凄く美味しい、ホッペが落ちそうで思わず押さえちゃった。
カラって意外と甲斐甲斐しいのね…、
「どうだ?口に合うか?」
『美味しいよ、カラって料理が上手なんだね』
「そうか?このぐらいどうってことないぞ、今まで何を食べてきてたんだ?」
『お米は炊けたから卵かけご飯…卵安いし』
「えー!?待って、それだけ?」
『トド、それだけじゃないよ、時々鰹節ご飯、たまに納豆ご飯にめざしを付けたら凄い御馳走だよ?』
ん?なんでみんなそんなに驚いてるんだろ?いちに至っては目頭を押さえてる、なんで?なんかおかしい事言ったかな。
「おーいカラ松、明日の晩飯は肉にするぞ!」
「ああ!!任せてくれ兄さん」
お肉……そんな贅沢品を?うわぁ♪明日食べれるの?楽しみっ!!本当に?カラを見たら涎が出てたみたい、拭いてくれた。
「そんなに目をキラキラさせて涎を垂らすほどなら、明日は腕をふるわなくてはな!楽しみにしててくれ」
チーズご飯を全部完食したらお腹いっぱいになった。
『カラ、凄く美味しかったよ、ごちそうさまでした』
「フッ…このくらいならいつでも作るぞ」
カラはそう言うと、またソファーの上に私を置いて、空の食器がのったトレイを片付けに行ってしまった。