第1章 始まりの風
~跡部side~
今日は朝からクラスが騒がしい。
転校生が来るからか?…ったく。
俺は転校生とやらに興味はない。
まあ、ミーハー女なら最悪だけどな…。
先生「じゃあ、転校生を紹介します。越前さん!」
越前?あのチビと同じ名字か。
偶然ってこともあるが、親戚なのか?
ガラッと扉を開き、入ってくる女子。
思わず目を見張ってしまうくらいの美人。
すべてにおいて、薄い色素。
歩き方もどこか普通とは違う…。
「越前ユーリです。」
…それだけかよ!おいっ。
極端に無口だな、この女…。
瞳は悲しいくらいに濁り、光を宿さない。
だが、男女ともに見とれている。
先生「えっと、じゃあ、跡部くんの隣ね。」
「…誰ですか。」
俺はしょうがなく手をあげた。
そいつはチラとこっちを見て、また前をむく。
何だ、この女…。
「よろしく、跡部くん。」
跡「…あぁ。」
変な女。…俺の第一印象だった。
惚れてしまいそうなほど、美しいのに。
その目は、誰も寄せ付けないような目だった。