第4章 都大会!
目の前には、大嫌いな弟がいた。
会いたくなかったのに・・・、絶対。
千「あれ?越前くんのお姉さん?!」
「・・・そうよ。」
早くここから立ち去りたい。
仲が良いなんて思われたくない。
千「ふーん、また会えそうだから今日はここで。」
「会えそうって・・・。」
手を大きく振って山吹の方へ戻っていく。
さて、こっちはどうしようかしら。
越「ねぇ、答えてよ。・・・姉さん!」
姉さん姉さんって、うるさいのよ。
あたしが冷たくしてたら、声が聞こえた。
桃「おーい、越前!何してんだよ!」
「早く行ったら?待ってるんでしょう?」
それでも、リョーマは動こうとしない。
まっすぐあたしを見てる。
手「越前、何をしている。」
「行きなさいよ、リョーマ。」
どんなに言っても動かない。どうして?
試合に遅れたらどうするのよ。
越「姉さん、なんで俺のこと見てくれないの?」
やめて!そんな目で見ないでよ!
菊「すっごく綺麗な子だにゃ!」
不「越前、知り合い?」
注目されるのはイヤなの。早く行って。
跡部達の所へ戻りたい・・・。
越「姉さんってば!」
河「越前の、姉さん?!」
「姉さん、姉さんって・・・うるさいのよ!!」
ビクッと体を震わせるリョーマ。
つい、大声をだしてしまった・・・。
「アンタにあたしの何が分かるの?!昔って、もう何年も前なのよ?」
越「・・・姉さん?」
「アメリカで幸せに育ったアンタなんかに、たった一人でイギリスに残されたあたしのことなんか!」
次から次へと出てくる言葉。
お願い、誰か止めて!このままじゃ、あたし!!
跡「そこまでだ・・・ユーリ。」
誰かに片手で抱きしめられているような・・・。
・・・このぬくもり、は。
「跡部・・・?」
跡「全く、どこへ行ったかと思えば。」
「途中で・・・偶然。」
あたし、震えてる?なんで・・・どうして。
ただ・・・跡部に離してほしくない。
なんでこんなにあったかいの?
手「跡部・・・?」
越「ちょっと!姉さんを離してよ。」
跡「それは出来ねぇな。」
ぎゅっと、跡部の腕に力が入る。
鳳「ユーリ先輩~!」
芥「ユーリ~~!」
聞き慣れた、あったかい声・・・。
氷帝のみんなだ・・・。