第3章 笑顔のわけ
「あ、すみません。壊しちゃった。」
店の人に言うと、ぎこちなく笑われた。
弁償だったら厄介ね・・・・。
店1「大丈夫ですよ。壊れかけだったんで。」
にこやかに笑う他の店の人はそう言った。
一安心だ。壊れかけだったなんてびっくり。
鳳「ユーリ先輩が壊したんですか?!」
向「凄い音聞こえたんだぜ!」
そんなに大きな音だったのかしら?
ボキッぐらいだったハズだけど。
観客達の視線が痛いし、あたしは立ち去った。
日「待ってください!」
「視線が痛いから、どっか行きたい。」
そう言うと跡部が笑って言った。
跡「なら、俺様について来い!」
自信満々ね、この俺様ヤロー。
着いた場所はプリクラが並ぶ所。
跡部、プリクラの意味を知ってるの?
芥「跡部~。プリクラ撮りたいの~?」
跡「ん?プリクラって休憩用の個室だろ?」
滝「うわ・・・。」
休憩用の個室が、プリクラ?
さすがお坊っちゃま・・・。
忍「あんな、跡部。プリクラは写真撮るもんや。」
穴「試してみるか?」
穴戸の言葉にみんな頷き、中へ。
あたしが先導するはめになってしまった。
あたしもあまり経験無いのよ。
「はい、ここのカメラ見て。」
向「笑えよ!跡部~。」
何回ものフラッシュが瞬いた。
・・・けっこういいかも。
みんないい笑顔だし。
あたしは、水色のペンで丸く書いた。
「氷帝テニス部っと。完了ね。」
鳳「わぁー、可愛いですね♪」
みんなに切り取って渡した。
あたしはうまく笑えているだろうか?
「・・・でも、なんでいきなり?」
日「遊びに行ったことですか?」
コクンと頷く。いったい、どうして?
みんなは目を合わせて笑った。